第17回日本組織移植学会総会・学術集会

会長挨拶

本村 昇
東邦大学医療センター佐倉病院 心臓血管外科 教授

 平素より東邦大学医療センター佐倉病院および日本組織移植学会の活動に対し、格別のご配慮を賜り厚く御礼申しあげます。
 さて、来る2018年8月24日~26日に千葉市の幕張メッセにて第17回日本組織移植学会総会・学術集会を開催する運びとなりました。現在、鋭意準備を進めている次第でございます。
 本総会のテーマは「移植医療の原点に返る」とさせていただきました。私は今から29年前に国立循環器病研究センターレジデントの時に凍結保存ヒト心臓弁の研究に携わりました。それ以来、自分のライフワークの一つとして、本邦における組織移植の普及発展に取り組んで参りました。ヒト組織凍結保存医療の黎明期からの経験を次の世代につなげるために今一番必要なことは、やはり原点に立ち返って自らを振り返り、そこから未来を目指したエネルギーを発信していくことであると感じたからです。当時は、凍結保存技術の模索と確立、そしてドナー情報網確立のための地道な病院訪問といったその全てが試行錯誤でありました。今ではそのいくつかは整備されておりますが、今後さらにブレイクスルーを目指すためには、ここで原点に戻ることは意味のあることだと思っております。
 本総会・学術集会では、これまでの基礎を築いてきた方々と将来への発展へと導く方々、そしてそれをつなぐイノベーションを有機的に包含し学術的にも社会展開面でも幅広く議論が出来る場にできればと思っております。組織移植が組織移植にとどまらず、臓器移植が臓器移植にとどまらず、全て移植というひとつのテリトリーで皆が同じ方向に向かって進んでいけるような場を創りたいと願っております。
 私は2009年の東京大学在職中に第8回の本総会を事務局長として携わりました。あれから9年となりますが、今回は東邦大学医療センター佐倉病院という組織バンクも持っていないマイクロブルワリーとでもいうような小さな施設での主宰となります。小さいなりに機動力を発揮して実り多い学会にしたいと思っております。
 是非ともより多くの皆様にご参加賜りますよう皆様のご協力をお願い申し上げます。

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